心臓は全身に血液を送るポンプのような役割をしています。そして、心臓がその役割を果たすためにかなりの運動量をこなしています。そのため、心臓自体にも栄養や酸素を含む血液を必要としているのです。そして、冠動脈とは、心臓が動くための酸素や血液を送るための栄養血管です。心拍出量の約5%は、冠動脈へと流れていくことを考えると、心臓の運動量の多さが分かりますね。冠動脈は、大動脈起始部の膨大部(バルサルバ洞)から左右に分岐し、右冠動脈(RCA)と左冠動脈(LCA)となります。大動脈 … 心臓カテーテル検査や治療において冠動脈造影は必須です。 教科書などで冠動脈の解剖は必ず学びますが、初心者が実際に冠動脈造影した動画や静止画をみると、角度や見え方でどこが回旋枝でどこが前下降枝なのか?など、よく解らなくな … 続きを読む →
【画像診断おすすめ書籍】 月木金土日(火水祝休) 03-5577-6513お茶の水駿河台下、神保町靖国通り沿い【冠動脈造影とは】冠動脈造影(Coronary angiography: CAG)とは、手首や足の付根からカテーテルと呼ばれる細い管を通して、心臓の血管、冠動脈(Coronary artery)の入り口まで挿入し、冠動脈を造影する検査です。冠動脈の狭窄の有無と程度を正確に診断し、治療の必要がある部位があればそのまま経皮的冠動脈インターベンション(Percutaneous coronary intervention: PCI)の治療へと進みます。【冠動脈造影の目的】冠動脈に有意狭窄があるとわかった場合、または強く疑われた場合に、確定診断と治療のために行います。有意狭窄とは、冠動脈カテーテル治療が必要な狭窄で、狭窄率では概ね75%狭窄以上の狭窄を有意狭窄と呼びます。有意狭窄の病変に対しては通常そのままカテーテル治療へと進みます。【冠動脈造影の流れ】近年は日帰りでカテーテル検査を行う病院もありますが、原則入院が必要な検査です。手首か足の付根からカテーテルを挿入します。カテーテルの挿入部位は主に三種類です。撓骨動脈(Radial artery)、鼠径動脈(Femoral artery)、上腕動脈(Brachial artery)、いずれかの血管からアプローチします。消毒をし、まず局所麻酔をします。次に、血管を穿刺し、カテーテルを通していく外筒を挿入します。カテーテルは2mmほぼの細い管です。カテーテルを血管内に挿入し、大動脈基部の冠動脈の起始部までカテーテルをアプローチします。冠動脈まで到達した後は、様々な角度から造影剤を注入し、冠動脈を造影しながら何度か撮影を行います。また、必要に応じて左室造影、大動脈造影を追加します。冠攣縮性狭心症を疑う場合は、冠攣縮誘発試験を行います。カテーテル検査終了後は、止血を行い、十分な止血が確認出来るまで安静にします。止血をより確実に行うための止血デバイスもあります。詳しくは国立循環器病研究センターのページをご覧ください。カテーテル治療の実際→【冠動脈造影の結果】冠動脈の各部位の狭窄の有無と程度が明らかになります。具体的には、冠動脈は、右冠動脈(Right Coronary Artery: RCA)と左冠動脈(Left Coronary Artery: LCA)の2本の血管からなり、左冠動脈はさらに主幹部、前下行枝、回旋枝に分岐します。各部位には、AHA分類と言って、#の通し番号で呼ばれます。具体的には、【冠動脈のAHA分類】・右冠動脈(Right Coronary Artery: RCA):#1-#4#1:右冠動脈起始部から鋭縁部までを二等分した近位部、#1から洞結節枝(sinus node branch: SN)、円錐枝(conus branch: CB)が分岐する。#2:右冠動脈起始部から鋭縁部までを二等分した遠位部、#2から右室枝(right ventricular branch: RVB)、鋭縁部からは鋭角枝(acute marginal branch: AM)が分岐する。#3:右冠動脈鋭縁部から後下行枝(poster descending branch: PD)まで#4:後下行枝(poster descending branch: PD)、#4から#4AV:房室結節枝(atrioventricular node branch: AVN)が分岐する。・左冠動脈(Left Coronary Artery: LCA):#5-#15#5:左主幹部(Left Main Trunk: LMT)・左前下行枝(Left Anterior Descending Coronary Artery: LAD):#6-10#6:左主幹部から左前下行枝の第一中隔枝(first septal branch: 1st SB)まで、#6から#9:第一対角枝(first diagonal branch: D1)が分岐する。#7:第一中隔枝から#10:第ニ対角枝(second diagonal branch: D2)まで#8:第二対角枝から左前下行枝抹消まで#9:第一対角枝(first diagonal branch: D1)#10:第ニ対角枝(second diagonal branch: D2)・左回旋枝(Left Circumflex Coronary Artery LCX):#11-#15#11:左主幹部から左回旋枝#12:鈍角枝(obtuse marginal branch: OM)まで#12:鈍角枝(obtuse marginal branch: OM)#13:後側壁枝(posterolateral branch: PL)まで#14:後下降枝(posterior descending artery: PD)さらに、冠動脈の各部位に狭窄率を判定します。狭窄度のAHA分類、7段階で評価します。具体的には、【狭窄度のAHA分類】・0%:狭窄なし・25%:25%以下の狭窄・50%:25%超から50%以下の狭窄・75%:50%超から75%以下の狭窄・90%:75%超から90%以下の狭窄・99%:90%超から99%以下の狭窄・100%:完全閉塞と分類します。通常、75%以上の狭窄を有意狭窄と判定し、治療対象とします。【冠動脈造影の適応判断】急性心筋梗塞や不安定狭心症では、緊急で冠動脈造影が必要です。まずは病歴、症状の確認後、心電図、心筋トロポニン検査を行います。急性心筋梗塞の場合は速やかに緊急のカテーテル治療が必要です。冠動脈狭窄が疑われる場合に冠動脈CTを追加します。冠動脈の狭窄の有無や程度の所見から有意狭窄が認められた場合には冠動脈造影を行います。また、経験的に症状から有意狭窄が強く疑われる場合は、総合的にカテーテル治療が必要と考えた場合もカテーテル治療可能な病院へ搬送します。詳しくは下記ページをご覧ください。・急性冠症候群→・急性心筋梗塞→・不安定狭心症→・冠攣縮性狭心症→・労作性狭心症→・心電図→・心筋トロポニン→・冠動脈CT→・心臓MRI→【冠動脈疾患の予防】・高血圧症→・脂質異常症→・糖尿病→・喫煙→・大量飲酒→冠動脈疾患は動脈硬化が原因です。高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙、大量飲酒、加齢、冠動脈疾患の家族歴など、心血管疾患のリスク因子が多ければ多いほど起こしやすいです。逆に、動脈硬化のリスク因子が少なければ少ないほど冠動脈疾患にはなりにくいです。これが、高血圧症、脂質異常症、糖尿病が自覚症状がなくても治療が必要な理由です。修正可能なリスク因子をコントロールして、冠動脈疾患にならないようにしましょう。 All Rights Reserved.「追加する」ボタンを押してください。閉じる※知恵コレクションに追加された質問は選択されたID/ニックネームのMy知恵袋で確認できます。不適切な投稿でないことを報告しました。 1 右冠動脈(RCA:Right Coronary Artery)の正しい番号の見分け方; 2 左前下行枝(LAD:Left Anterior Descending)の正しい番号の見分け方; 3 左回旋枝(LCX:Left Circumflex)の正しい番号の見分け方; 4 Spider Viewとハイラテについて; 5 最後に 2010/10/2 左冠動脈前下行枝 の読み方を教えてください。 ∟JASRAC許諾番号:9008249113Y38200Copyright (C) 2020 Yahoo Japan Corporation. 月木金土日(火水祝休) 03-5577-6513お茶の水駿河台下、神保町靖国通り沿いCopyright © 2020 循環器内科.com All rights Reserved. 目次. 冠動脈(かんどうみゃく、ラテン語: Arteriae coronariae 、英語: coronary artery )は、大動脈基底部(大動脈弁直上)のバルサルバ洞に端を発し、心筋にエネルギーを供給する動脈のことである。 肝動脈との区別をつけるために、一般的には冠状動脈(かんじょうどうみゃく)と言う。 右冠動脈 (#1-4) 左前下行枝 (#6-10) 左回旋枝 (#11-15) の順番に番号が付いていくということをまず覚えておきましょう。 各冠動脈のポイントは? 次に各冠動脈の番号のつけ方を簡単に説明します。 右冠動脈(RCA #1-4)について. ちなみに解剖学的に隣り合ったとは、右冠動脈ではⅡⅢavf 、左前下行枝では、v1〜v3、左回旋枝ではⅠavlなどです。 ちなみに、この心電図は、超急性期の心筋梗塞です。r波とst上昇がくっついて台形状に … 前壁梗塞は、前壁中隔(心室と心房の間)梗塞、前壁梗塞、前壁側壁梗塞と梗塞部位により詳しく分けられることができるが、これらを支配する血管は、 心臓の前壁を走行する左前下行枝(lad) であり、ladが閉塞すると、前壁梗塞が起こる。 冠動脈の各部位の狭窄の有無と程度が明らかになります。具体的には、冠動脈は、右冠動脈(Right Coronary Artery: RCA)と左冠動脈(Left Coronary Artery: LCA)の2本の血管からなり、左冠動脈はさらに主幹部、前下行枝、回旋枝に分岐します。 左の図は、心臓を正面から見た図である。血液供給の範囲から、臨床の場では冠動脈は3本(左前下行枝、左回旋枝、右冠動脈)として扱われる。 左冠動脈が 左前下行枝と左回旋枝に分岐するまでを左冠動脈主幹部:LMT(left main coronary trunk) と言う。 左の冠動脈は大きく分けて2本の太い枝に分かれています。 左前下行枝(LAD:Left Anterior Descending)と左回旋枝(LCX:Left Circumflex)です。 造影ではLAOやRAO、CranialやCaudalなど多方向から撮影を行うので、 頭の中がゴチャゴチャになってしまいます。 ですが、初めの段階ではどっちがLADでどっちがLCX 心カテブートキャンプへようこそ! 当サイトは、心臓カテーテル治療(=通称:心カテ)に携わる医療スタッフ向けに、 心カテスキルがメキメキ高まる短期集中の特別エクササイズを発信しています! 心カテの勉強ってすごく大変! IDでもっと便利に